ジャズの醍醐味のトランペットの輝き。フレディ・ハバード、ウィントン・マルサリス

ジャズの醍醐味は迫力だと思っているので、トランペットの輝きのある音が最も好きです。

フレディ・ハバードのアルバム
フレディ・ハバードのアルバム

フレディ・ハバードのトランペットがメタリックな輝きとハイノートという高音の連続する難しい技を見せつけられるので、最も好きなジャズミュージシャンです。

フレディハバード
フレディハバード

ウィントン・マルサリスもハイノートの連発するアルバムの「ライブ・アット・ブルースアリー」は最高です。

ライブ録音で、いきなりウィントンのライブの出だしから、ハイノートを連発し、聴衆を圧倒しています。

ジャズの最高な瞬間が録音されています。

ウィントンマルサリス CD
ウィントンマルサリス CD ライブアットブルースアリー

ウィントン・マルサリスのいきなりのトランペットの全開のハイノートはしびれます。

ウィントンマルサリス
ウィントンマルサリス
ジャズのライブの最高の興奮状態が録音されています。クラシック音楽では味わえない音です。

クラシックはメタリックや、野性的な音や金属音、ドラムやベースの迫力がありません。

クラシックで物足りない時は、ジャズのトランペットを聞きます。

ストレスが吹っ飛びます。ロック音楽のような興奮状態になれます。

ぜひ、2枚とも聞いてみて下さい!

ジャズのメタリックなトランペット音の良さが体験できます。

クラシックの究極の音楽に感じる曲 ワーグナー パルジファル

ワーグナーのパルジファルを聴くと、クラシックの究極の西洋音楽の歴史の重みを感じる曲だと感じます。

バレンボイムのパルジファル
バレンボイムのパルジファアル

オペラ自体は歌の物語なので、芸術というよりも、物語小説を感じます。純粋な芸術ではなく、楽しむ娯楽作品でしょう。

メロディーよりも言葉の力がオペラの楽しみなので、歌手が大事なのは当然で、名盤と呼ばれるCDは歌手を主体に選ばれています。

カラヤンやクナッパーツブッシュが名盤なのは当たり前のことで、疑問はありません。

しかし、ワーグナーの作品で、パルジファルだけは、娯楽作品と言うよりも、個人的な宗教感の告白に感じます。

あまりワーグナーが聴衆を楽しませることをやめて、自分の書きたい音楽を作ったもので、地味で取っつきにくい作品です。

しかし、ワーグナー自身が舞台神聖祝典劇と呼ばせ、これまでの楽劇からは、距離を置いた作品にしました。

クラウディオ・アバドがワーグナーをローエングリンしか録音しないのに、パルジファルだけは精金曜日の音楽を録音しているのは、ワーグナーへの尊敬の意味が大きいと感じます。ドイツ音楽をイタリア人のアバドが、完全に理解はしきれない距離を感じていたためと思います。

アバドはプッチーニのオペラも泣かせる音楽で取り上げない頑固さがあり、オペラに対しての考えがしっかりある指揮者でした。カラヤンのようなエンタメ性がありません。一種の神経質なタイプの大指揮者でした。

それほどワーグナーのドイツ音楽の哲学的な世界観をもった独特の音楽には、他の国の人には理解しずらい重さを感じます。

パルジファルはベートーベンや、バッハ、モーツァルトのようなドイツ音楽の集大成がある作品です。歴史の重みを背負ったゲルマン民族の集大成に思うのです。これほど静かな慎ましい音楽はワーグナーでは異質です。

フランスの音楽もフランス人にしかわからない世界観があるし、ロシア音楽もオペラなどは理解しきる指揮者は他国での指揮者では、なかなか難しいです。もちろん日本の音楽も他国の人には、完全に消化しきれない世界観があるでしょう。

それでも、ワーグナーのパルジファルは西洋のクラシック音楽の集大成を感じさせる総合芸術の到達点に思わせる静かな凄みを持っています。

気楽に聴けない厳粛な世界観の音楽です。宗教音楽の神聖さが、ワーグナーで頂点に達したと強く思います。ニーベルングの指輪も、長さと派手さは凄いですが、パルジファルは静かな大人の音楽で、普通の人には取っつきにくい音楽なのだと思います。

カラヤンのCDは確かに録音もよく美しいですが、どこか軽さを感じて、好きになれません。クナッパーツブッシュのCDは、やはり、録音がステレオですが、映像で本当の凄みがわかると感じます。

音だけだと、雑音が気になり、ライブのハプニングが好きになれません。

録音がよく、音楽が音だけで、楽しめるのは、私はクーベリックや、ケーゲルの軽さが好きです。バレンボイムはこだわりがなく、録音もいいので、今のところ最も評価するCDです。ショルティもいいと思いますが、カラヤンに似た音だけの美しさしか感じないので、物足りないです。ドイツ音楽を感じさせて、しかも重くない演奏が、CDでは、必要です。

 

 

 

ブルックナー交響曲第4番、ロマンティックのベスト10

ブルックナー交響曲第4番、ロマンティックのベスト10です。

ムーティ盤
ムーティ盤

交響曲第4番はロマンティックという副題があり、ブルックナーの交響曲の中では素朴な歌がたくさんあり、親しみやすいです。

しかし、交響曲としては、楽章の個性がありません。

いつの間にか音楽が始まり、気が付くと終わっているような曲で、楽章の違いがあまり感じないので、スケルツオなのか、フィナーレなのかよく聴いていないとわかりにくいです。

聴かせる指揮者は大変な工夫のいる交響曲だと思います。

指揮者はかなり工夫して、メリハリをつけ、聴き手を飽きさせない事が大切です。

4番ロマンティクは普通に指揮していたら、全く個性が出せないつまらない曲に聞こえてしまいます。

まさにブルックナーの取っつきにくさを象徴する交響曲です。

初めは親しみやすいメロディーで堅苦しさは感じませんが、繰り返し聴くと、強弱が無く物足りなく感じる交響曲です。

正にブルックナーマニアには最も理想の演奏が未だ生まれる可能性があるマニアックな曲です。

交響曲第9番や第8番の方がよっぽど覚えやすいハッキリとした楽章の特徴があります。

要するに4番は聴きやすく、親しみにくいのです。

第1位 ムーティ ベルリンフィル 1985年

第2位 ヴァント ベルリンフィル 1998年

第3位 ハイティンク ウィーンフィル 1985年

第4位 アバド ウィーンフィル1990年

第5位 朝比奈隆 大阪フィル 2000年

第6位 ヴァント 北ドイツ放送響 2002年

第7位 ズヴェーデン オランダ放送フィル 2006年

第8位 ノリントン シュツットガルト放送響 2008年

第9位 ベーム ウィーンフィル 1973年

第10位 インバル フランクフルト放送響1983年

1位のムーティ ベルリンフィル盤は、かなり流麗できびきびしたリズムでメリハリもあり、聞きやすいです。ドイツ音楽に聞こえません、ひたすらスマートに演奏され、さっぱりした演奏です。

ムーティのブルックナーは、とてもスマートで現代的で個性的です。

リッカルド・ムーティはイタリア人で、交響曲第6番もうまくいっています。元気があり、流麗な歌もあり、6番の名演だと感じます。交響曲第9番もかなり個性的でムーティならではのメリハリのある元気な第9番で印象深いです。

2位のヴァントはベルリンフィルの演奏は重厚で深遠さのある、ドイツ音楽らしい立派な4番「ロマンティック」に仕上がっています。

録音も素晴らしく、ムーティの次に初めて聴いた時の深遠さが忘れられない演奏であり、録音も抜群の演奏です。残響が見事に録音されています。やはりヴァントが演奏すると、ブルックナーがかなり立派な交響曲に聞こえます。これほど重く重厚な立派さを感じるドイツ音楽らしさのある演奏はありません。

3位のハイティンク盤はハイティンクの最も充実した頃の録音で、ブルックナーの素朴さを保ちながらさりげない気品を感じる演奏で、とても上品なブルックナーです。

ハイティンクの良さである派手にオーケストラを鳴らさずに、気品を聞かせる演奏で、この頃のハイティンクは素晴らしかったです。最近のハイティンクは枯れた武骨な演奏になり、硬さを感じてしまいます。

4位のアバドは最もアバドのブルックナーで成功した例で、ほかの演奏は繊細過ぎてブルックナーを変にいじりすぎた演奏になってしまっています。アバドはブルックナーには本質的に合っていません。4番だけがアバドの繊細さが上手くいった偶然の幸福な録音です。ほかのブルックナーの演奏は全くドイツ音楽を尊重していない演奏で、小細工しすぎのアバドの悪い面が出ています。

5位の朝比奈隆は本当に武骨な演奏で、ブルックナーファンにしか受けない演奏だと感じます。生真面目で疲れる演奏ですがファンには本場のドイツ音楽の武骨な味わいが出ています。

マニア向けの演奏です。

6位のヴァント北ドイツ放送盤はベルリンフィルの強弱のある金管楽器が派手に鳴る演奏ではなく、優しいメリハリのない演奏で、しかし誠実なドイツ音楽を優しく奏でるヴァントの意外に繊細な面が出ている演奏です。ベルリンフィル盤とは全然違うヴァントの一面を知れる意外な名演です。ムーティ盤のようなスマートな演奏で驚きます。

7位以降は省略しますが4番の別の版の演奏のインバルやノリントンも新鮮な演奏でブルックナーの版によって別の音楽に聞こえる不思議さを味わうと、ブルックナーマニアの世界を味わうこともできます。特にインバルの演奏はブルックナーの演奏史に重要な革命をもたらした演奏です。ロマンティックの聴きやすさが無くなって、やや地味な洗練されない曲になっています。

 

ブルックナー交響曲第7番 ベスト7

ブルックナーの交響曲第7番のベスト7です。

ベスト10になるほどブルックナーの交響曲第7番は上手い指揮者の演奏がありませんでした。

曲の魅力が7番、4番は有名な割に5番、8番、9番ほど充実しているとは感じられません。指揮者にとっては7番、4番はかなり工夫の要る難しい交響曲だと思います。

ブルックナーは5番、8番、9番は傑作ですが、3番、4番、6番、7番は有名な割には交響曲として欠点があります。他の作曲家の交響曲に比べ、完成度が低く感じます。指揮者の演奏の工夫で聴かせる努力がかなり必要な曲です。

ヨッフム コンセルトヘボウ盤
ヨッフム コンセルトヘボウ盤

1位 ヨッフム コンセルトヘボウ盤 86年 ライブ盤

ヨッフムの盤はライブなのでアラがあり、繰り返し聞くにはベストとは言えないですが、2楽章のシンバルと打楽器の盛り上げ方が最高で、喜びに満ちた充実感を作っています。ブルックナーを聴く喜びを感じます。

2楽章のアダージョのブルックナー特有の徐々に盛り上がっていくワーグナー的クライマックスをヨッフムはしっかり派手に演奏していて、開放的な喜びを発する効果を上げています。2楽章は最高の演技です。

あとヨッフム特有の優しい木質の柔らかさと言える潤いあるオーケストラの響きが、コンセルトへボウオーケストラのこのライブ演奏は出ていて、常に潤いを感じる暖かい充実感に満ちています。ヨッフムはブルックナーの交響曲の良さを本質的に解っています。

上手い演奏でも、無機的なあっさりした響きだとブルックナーの7番の流麗な1、2楽章が味気なく聞こえてしまうのです。

ワ-グナーを尊敬していた作曲家ブルックナーのワーグナークレッシェンドの徐々に盛り上っていく効果が最高に発揮されている演奏です。

2位 ヴァント ベルリンフィル盤 1999年

ヴァントは2楽章はハース版を使ってい、盛り上がりでシンバルの強打が無く、あっさりしていて物足りないです。それ以外は素晴らしい演奏です。

しっかりとした弦楽器と管楽器の充実したベルリンフィルの重厚さはドイツ音楽の正攻法の響きで固い名演奏です。

ヴァントの演技は、そもそもが真面目で堅苦しさがありますが、7番の3,4楽章の物足りないブルックナーの作曲の構成の緩さを補っています。

ヴァントによって7番の欠点である3,4楽章の物足りなさがなくなった演奏です。

1位のヨッフムの演奏では3,4楽章は少し優しすぎて締まりがなく感じます。

3位 マタチッチ チェコフィル 1967年

マタチッチも3,4楽章は流麗すぎて緩く聞こえますが、1楽章の出だしの繊細な盛り上げ方にすべてが表れている演奏。この小さな音からだんだん大きくなっていく効果が実に繊細で、デリケート。ブルックナーの細やかな性格が響きに見事に再現されています。希望を感じるような1楽章の広がりをもった雄大な流れは最初の1楽章に最も必要な解釈で、マタチッチは素晴らしいです。

2楽章も繊細で細やかでありながら、しかも重く厳粛です。ワーグナー的な徐々に盛り上がっていくのが最高に理解されています。聞いていて胸が熱くなります。

最近の演奏では聴けないあっさりした冷たい指揮とは最も遠い人間的な解釈の演奏です。2楽章のアダージョの演奏は荘厳で、深刻なワーグナーへの死の哀悼の葬送の気持ちがマタチチッチからも強く感じます。

本当に人間的な思い入れの強い、かつ流麗で、ドラマチックな解釈になっています。あっさりした部分が1,2楽章は全く感じられません。

しかし3,4楽章は多少間延びしています。

4位 ズヴェーデン オランダ放送フィル 2006年

ズヴェーデンも繊細な演奏でブルックナーの曲を大切に思っているのがよくわかります。しかし、繊細過ぎて神経質な感じもあるので、もっと7番には雄大でおおらかさが欲しい人には疲れる演奏かもしれません。

ズヴェーデンはブルックナーに合っている指揮者だと思います。細やかさと繊細さがブルックナーの地味な音楽にマッチしていて、変に小細工を使わなくても体質的にブルックナーの感覚が理屈でなく理解できています。

ズヴェーデンはどのブルックナーの交響曲でも繊細で、曲を大切に演奏しているのがよくわかります。クールで真面目過ぎる現代の指揮者のティーレマンやあっさりした解釈の指揮者ハーディングにはブルックナーはブルックナーは合ません。

5位 シューリヒト ハーグフィル 1964年

あっさりした演奏ですが冷たく感じないのが不思議で、シューリヒトは3、4楽章のブルックナーの7番の最大の問題の作曲上の欠点をうまく処理していて、キレのあるリズムで締めています。シューリヒトにしか出来ない解釈。

ある意味厳しさのある演奏で、冷たい印象もありますが、ヴァントのような厳格で重い感じがしません。ドイツ音楽のきびきびした処理の上手い指揮ぶりで見事です。

6位 ジュリーニ ウィーンフィル 1986年

ジュリーニは8番では3楽章の誠実過ぎる丁寧さが逆効果で、重いテンポになってしまっていましたが、7番の締まりのない3、4楽章を厳格に立派に聴かせるベテランの指揮ぶりを発揮しています。

ジュリーニはブルックナーには重すぎるテンポで成功しない体質の指揮者です。しかし9番では上手くいっているので8番のアダージョが失敗した数少ない例でしょう。9番は充実したテンポが重厚で荘厳な世界観が出ています。さすがに5番を録音しなかったのは自分をよくわかっていたのでしょう。ジュリーニの5番はたぶん重すぎて聴けないでしょう。

7位 朝比奈隆 大阪フィル 1975年

有名な録音で、教会でのライブ録音なので、残響が美しいですが、ドイツ的な重さが一切ないので、あっさりしすぎています。

朝比奈隆の7番の解釈は真面目で誠実すぎて演奏効果を全く考えていない演奏と言えます。しかし、この日本人的生真面目さが繊細なブルックナーの7番の爽やかな良さを感じさせます。無垢な少年のような汚れの無い世界で、教会の残響のある録音に合っています。汚れの無い宗教音楽の世界のような澄み切った演奏。7番のようなおっとりしたテンポの曲だから成功したような演奏です。

ブルックナーの交響曲第8番 ベスト10

ブルックナーの交響曲第8番のベスト10です。

ベルックナー8番 プレートル指揮
ギョルジュ・プレートル盤 ブルックナーの交響曲第8番

そもそもブルックナーの交響曲第8番はクラシックの交響曲の屈指の名曲で、誰の指揮でも左右されない究極の完成度です。

美術の世界で言えば、ダヴィンチ、ミケランジェロの世界です。天才の世界に圧倒され、涙が出てくる感動です。マーラーの交響曲の人間の世界を越えています。

ブルックナーの世界を知ることができた感謝の気持ちを感じるでしょう。

ブルックナーは昔の録音で聴くと確かに古さを感じますが、曲の良さの印象が損なわれることはありません。

ベートーベンの交響曲と同じで、名曲なので、指揮者や録音に左右されない素晴らしい完成度を誇ります。

ベートーベンの交響曲第9番や第6番田園、5番運命などと変わらない名曲です。

ブラームスの交響曲第1番も同じで交響曲の名曲でしょう。

指揮者によって嫌いになるような交響曲ではない曲です。

しかし、ベートーベンのような人間の世界の感動ではありません。人間の世界を超えた異次元の感動の境地に達しています。

まるで、大自然の広大な風景を見ているような神の世界の感動です。ブルックナーも8番の作品の偉大な境地についに達したのです。ベートーベンとは感動の深さが違います。

8番、9番は神の世界です。

究極には誰の指揮でもいい曲なので、もっと色んな指揮者で聴きたい人は解釈の違いがあって面白いと思います。

カラヤン ベルリンフィル 75年盤
カラヤン ベルリンフィル75年盤

1位 カラヤン ベルリンフィル盤 75年

2位 ヴァント ベルリンフィル 2001年

3位 ハイティンク コンセルトヘボウ盤 81年

4位 スイトナー シュターツカペレ・ベルリン 86年

5位 スクロヴァチェフスキ 読売日本交響 2010年

6位 プレートル ウィーン交響楽団 2008年

7位 ヴァント ベルリンドイツ響 1994年

8位 朝比奈隆 大阪フィル 2001年

9位 シモーネ・ヤング ハンブルクフィル 2008年 第一稿

10位 マタチッチ NHK交響楽団 85年

1位のカラヤンの75年盤はメロディーの美しさで一番です。1,2楽章の整った流麗なメロディーラインは素晴らしい。

2楽章が特に美しいので、ブルックナーの歌が一番美しく味わえます。

3、4楽章は最高ではないけれど、8番の名曲の理由がよくわかる演奏です。初めて聴く人には最適な演奏だと思います。

カラヤンのウィーンフィル盤は美しいというよりも枯れてきた老人の枯淡の境地の演奏で、美しいですが、寂しげな演奏で、今一つです。BGMにするのには最適な流麗な演奏。

3位のハイティンク盤も後のウィーンフィル盤は派手になりすぎて聴いていてうるさく感じます。コンセルトヘボウ盤は録音が柔らかく、人間味を出した録音で、ぬくもりの感じる演奏に聞えて素晴らしいです。

ハイティンク コンセルトヘボウ盤
ハイティンク コンセルトヘボウ盤

2位のヴァント盤はいかにもドイツ的なきっちりした演奏で、疲れますが、ブルックナーの8番がこれほど立派に聞こえ、迫力のある演奏は他ではあありません。

ドイツ音楽の重厚さを感じたければベルリンフィルの正規録音が最も立派なブルックナーの演奏です。

スイトナーの演奏はあっさりした部分と、感情移入が強い部分の使い分けがよく、人間的でドラマチックな解釈の演奏。ロマン派の演奏です。構成は緩さを感じます。
スクロバチェフスキの演奏も似ていて、とても指揮者の人間的な感情の盛り上がりが出ていて、人間臭い演奏で好きです。
スクロヴァチェフスキ盤
スクロヴァチェフスキ盤

プレートルはフランスの指揮者なので重厚な演奏ではないけれど、優しさと枯淡の境地の指揮者の熱く盛り上がるフランス的な軽さもある演奏で新鮮です。枯れた味の演奏です。

朝比奈隆は重厚で真面目過ぎる堅苦しい演奏で、重い演奏を聴きたいときはこのドイツ的堅苦しい演奏が味わえる貴重な解釈です。

シモーネヤングは第一稿の演奏で、ブルックナーの初めのひらめきの曖昧さが出ていて個性的です。録音もよく、立派な響きで、ブルックナーの第一稿の気まぐれな作曲の曖昧さを味わえます。

ブルックナーという人間性を最も感じられる、はっきりしない曖昧な迷う性格が出ていて個性的だ。

マタチッチのNHKライブ演奏はマタチッチの指揮の個性を味わう演奏です。テンポが動き、ライブならではの感情の渦を感じられる執念の演奏。演奏ミスもありますが、人間的なブルックナーの感情の爆発が聴いていて新鮮です。今では絶対味わえない人間臭い演奏です。

ジュリーニ盤やチェリビダッケ盤はテンポが遅すぎてブルックナーの第8交響曲には合わないと感じます。重すぎて凝りすぎていて、聴いていて苦痛を感じてしまいます。

ブルックナー交響曲第5番のベスト10

ブルックナー交響曲第5番のベスト10を作ってみます。

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ヴァント ベルリンフィル盤

1位 ヴァント ベルリンフィル 1996

2位 マタチッチ チェコフィル 1970

3位 ヨッフム ドレスデン 1981

4位 ヴァント 北ドイツ放送響 1995

5位 ズウェーデン オランダ放送 2007

6位 チェリビダッケ ミュンヘン 1986

7位 マーク 東京都交響楽団 1986

8位 ブロムシュテット ライプツィヒ ゲバントハウス 2010

9位 ドホナーニ クリーブランド 1991

10位 ケンペ ミュンヘン 1975

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マタチッチ チェコフィル盤

1位はヴァントのベルリンフィルの硬い演奏です。武骨で融通の利かない頑固おやじの実直な演奏ですが、5番にはこのぐらいの構成感があるとがっちりと安定します。

はっきり言って5番は親しみやすいフレーズも無く、ブルックナーの実直さをどれだけ好きがに掛かっています。よほどの辛抱強い人だけの世界で親しみを持ちにくい交響曲です。

ヴァントはスケルツォもリズム感があり、テンポが急に変わったりする不思議な指揮者で、演奏するたびに解釈にムラが出る面白い人です。ベルリンフィル盤は最もきっちりしている演奏で、むらがないのである意味ライブ盤のような面白みはないですが、演奏の実力はベルリンフィルの立派さをフルに使い、派手な金管の響きが輝かしいです。終楽章は本当に立派な曲に聞えます。立派過ぎるかもしれません。ほかのヴァントのライブ演奏はもっと人間的な揺らぎがあって、隙のある演奏で、親しみやすいです。

2位のマタチッチはこれほどテンポを動かして感情的に演奏してもサマになる曲だということを証明した歴史的演奏。以前はもっと構成感を重視し、ある意味面白みがない演奏ばかりだった5番の革命盤です。マタチッチの革命的で斬新なパッションが爆発している。

まるでライブ演奏のような人間味が出っぱなしの激しさです。終楽章も派手にシンバルが鳴り響き、派手な盛り上がりで終わります。2楽章のスケルツォのリズム感がとても心地いいです。ワーグナー的徐々に盛り上がるクレッシエンドを感じるロマンティックな演奏です。3楽章だけがマタチッチに合っていない楽章で、少しだらけてしまうのが残念です。

3位のヨッフムはテンポの伸びや揺れがあり、個性的解釈ですが、録音が残響があり、消えていく音のホール感が感じられていいです。ブルックナーらしさを感じる残響の録音が生きています。

ヨッフムの独特の響きが味わえる演奏で、これこそブルックナーの交響曲の残響が味わえて好きな録音です。テンポがきっちりしていないので、構成感は弱いです。ブルックナーの人間的な爽やかな面が聴けるある意味、女性的な演奏といえます。

4位はヴァントの北ドイツ放送響のハンブルクムジクハーレーのライブ。ベルリンフィルの金管の凄さは聞けないが、ヴァントのライブではかなりきっちりした硬派な仕上げになっていて、厳粛さが聴ける。

ヴァントの最晩年の集中力の凄さが感じれれる。気合が相当入った演奏。ベリリンフィル盤のような硬い響きがないので、より人間味があるので親しみやすい。

5位はズウェーデンの丁寧な神経質な演奏。このゆったりした丁寧な運び方はブルックナーに合っていて、ズウェーデンのこの5番への愛着が感じられる。

メカニックな冷たさがなく、どのフレーズも大事に扱うので、繊細過ぎるところもあるが、冷たい淡々とした演奏でないのが最も感じられる演奏。録音も素晴らしい。

6位はチェリビダッケのスローテンポなライブ演奏。チェリビダッケは一度ツボにはまると不思議な魔力を発揮する指揮者で、このオーラはほかの指揮者では出せない。

5番のような懐柔な曲はこのぐらい癖のある指揮でも成り立つ曲だ。ただし付き合いきれないほどの遅いテンポなので、好き嫌いがはっきり分かれるだろう。

7位のマークは逆にすっきりした解釈で、あっさりしてくどさがない。物足りなさもあるが、このすっきりしたキビキビしたテンポも5番の味わいに何故かあっている。

ティーレマンの遅い演奏の全く正反対の解釈。ただしオーケストラはやや粗い。

8位のブロムシュテットも真面目で誠実な演奏。ただしティーレマンのようなくそ真面目さはなく、もっと大雑把な老境のブロムシュテットの枯れた純粋な力の抜けたいい意味で、すっきりした演奏になっている。くどさは感じられない。真面目で誠実な演奏の典型的な演奏だろう。

9,10位は省略します。

とにかく5番が好きな人はかなりのブルックナー愛好家なので、いろいろな演奏で解釈の違いを味わうマニア向け交響曲だろう。

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マーク 東京都交響楽団盤

ブルックナー交響曲交響曲第9番のベスト11

ブルックナー交響曲第9番のベスト11をランキングしてみます。

ブルックナーの最後の交響曲である9番は、未完な作品にも関わらず、人間世界を超えた神の領域の世界で、ベートーベンやマーラーのような人間世界の音楽ではありません。いわばモーツァルトにより深みを付け加えたような純粋な作品です。

指揮者を選ぶ作品の深さがあります。

若い指揮者には理解出来ない深遠な精神を評価しています。

別世界の音楽といっていいと思います。

ヴァント ベルリンフィル
ヴァント ベルリンフィル盤

1位 ヴァント ベルリンフィル 98年

2位 ヴァント 北ドイツ交響楽団 2000年ライブ

3位 ハイティンク コンセルトヘボウ 81年

4位 マタチッチ ウィーン交響楽団 83年

5位 ヨッフム ミュンヘンフィル 1979年

6位 朝比奈隆 東京都交響楽団 1991年

7位 ショルティ シカゴ 1985年

8位 ズウェーデン オランダ放送フィル 2006年

9位 チェリビダッケ ミュンヘンフィル 95年

10位 ジュリーニ シカゴ 76年

11位 バーンスタイン ウィーンフィル

マタチッチ ウィーン響の9番
マタチッチ ウィーン響のライブの9番

1位のヴァントの指揮は厳格で硬い演奏、ブルックナーの9番の非人間的な世界を味わうのに最適です。この重さと厳格さはヴァントしか出せないでしょう。

神の世界の演奏。ベルリンフィルの最強のヴァントの結論といえます。欠点がありません。ただし、硬い演奏なので、柔らかさや人間的なもろさを好きな人には進めません。玄人向けの演奏です。聴いていて疲れるかもしれません。

同じくヴァントの2位の2000年の日本での北ドイツ放送響のライブはもっと息苦しいほどの深刻さと雰囲気ですが、ほかの指揮者では決して味わえない緊張と厳粛さが出ています。

9番にはこういう異世界の世界観が生きます。疲れはベルリンフィル盤より感じます。

3位のハイティンクのコンセルトヘボウ盤はやや軽い演奏ですが、実に丁寧な演奏で、各楽章が品のある充実感があり、かと言ってヴァントのような重くない良さがあります。

2楽章の品のある仕上げはベスト11の中でもダントツです。1楽章の出だしの始まり方も、重くなく、しかし厳粛な感じが出ているので、この頃のハイティンクは最も充実していました。マーラーの7番の最高の録音もこの頃でした。ハイティンクの充実した時期は無敵の存在感でした。

3楽章の最後のフィナーレの部分の品格の良さと上級な仕上げは、ハイティンクが1番好きで、誰もかないません。ヴァントも及びません。

4位のマタチッチはライブ盤で音があまりよくないですが、マタチッチの集中力からくるテンポの揺らぎなどが、いい意味で演奏の渦を感じ、超人世界に入った演奏です。マタチチッチの神通力です。

ライブなので乱れはありますが、マタチッチの気迫を感じて、ウィーン響から意外な集中力を引き出しています。

5位のヨッフムはミュンヘンフィルとのライブで、かなり自由に9番を演奏している。いわばヨッフム流の自由な感情の感じられるます。

ヨッフムの自由な解釈にびっくりします、しかも9番の深刻な雰囲気とがっちりした形式感は失っていないのです。形式の中であくまで自由に演奏している感じで、重いブルックナーではありません。ヨッフムのブルックナーとの相性の良さを感じます。

6位の朝比奈隆の東京都交響楽団盤は、まさに日本的な演奏で、日本人の禅の精神の世界のような世界性を感じます。かなり感情を込めた演奏で、テンポの揺らぎもあります。日本的解釈としてブルックナー9番を再発見できる演奏。

7位のショルティ盤もいかにもショルティ流の真面目な構成的な演奏ですが、9番だったので、この構成力が上手くマッチしてドライな解釈が成功しています。テンポも正確で乱れがなく、ややロボット的なクールさを感じます。9番の合理的な演奏に聞えて、新鮮です。

8位のズウェーデン盤は気合が入っていて丁寧で、上品な解釈で、ハイティンクのような軽さがあり、しかも人間的な演奏。

9位のチェリビダッケはかなりの癖があり、すぐに嫌になる人もいるだろうと思う演奏です。重ったるく、妙に変なところにこだわっていて、めちゃくちゃ神経質な演奏。

ジュリーニの解釈に近い。しかし、それほど神経質な解釈が9番だからか成功している。これほど個性的な演奏をする指揮者はいない。チャリビダッケの偏屈さがもっともよく出ていて、それが9番のユニークな解釈にプラスに働いた珍しい例です。チェリビダッケのブルックナーは、たまにいい演奏解釈になることもある。ブルックナーの交響曲第5番のアルトゥス盤のライブなどもいい演奏になっています。

10位のジュリーニ盤は遅いテンポで丁寧に演奏し、それが9番の深刻さを強調し、品格のある立派な交響曲に聞えます。後のウィーンフィル盤はより丁寧で、重たすぎて私は好きになれません。

ラベルの「高雅にして感傷的なワルツ」のような演奏者の感情のよく出るピアノ曲が好きだ

ラベルの高雅にして感傷的なワルツのような感情の良く出たピアノソナタが好きで愛聴している。

高雅にして感傷的なワルツ アシュケナージ盤
高雅にして感傷的なワルツ アシュケナージ盤
ベートーベン15番田園ソナタ ブレンデル盤
ベートーベンピアノソナタ第15番「田園」 ブレンデル盤

他にはシューベルトの「ピアノソナタ第20番」シューマンの「クライスレリアーナ」ベートーベンのピアノソナタ第15番「田園」ラベルの「夜のガスパール」「高雅にして感傷的なワルツ」の5曲を特に愛聴している。

ベートーベンのピアノソナタ第15番「田園」は、田園という副題にふさわしい牧歌的なメロディーとリズミカルな飛躍があり、楽章間のメリハリがある。

ベートーベンのピアノソナタの中では重さがない軽やかな名曲だと思う。

シューベルトのピアノソナタ第20番は、少し暗いシューベルトのピアノソナタ中では、前向きな開放的なメロディーがあり美しい。

シューマンのクライスレリアーナは、まさに感情のおもむくままのピアノによる表現で、リズミカルであおるようなテンポが心地よい。

ラベルの夜のガスパールと高雅にして感傷的なワルツは、ラベルらしいフランスの憂鬱な感情とピアノの響きで満たされる名曲だ。

それぞれの推薦盤はブーニン盤のクライスレリアーナとブレンデル盤のシューベルトの20番だけ載せられなかったので残念。

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ブーニンのシューマン クライスレリアーナ

 

ベートーベンのピアノソナタ第15番の田園ソナタは、アルフレッド・ブレンデルのピアノが誠実で、軽やか、ピアノの響きも美しい演奏。

シューベルトのピアノソナタ第20番も、ブレンデルはシューベルトのやや暗めのメロディーを美しい繊細でしっかりしたピアノのタッチで心地よく聞かせる。

シューマンのクライスレリアーナは、出だしの感情の疾走感がアルゲリッチの演奏は凄い。まさに感情のおもむくままの気分的なムラのある表現が、シューマンにピッタリだ。

スタニスラス・ブーニンのクライスレリアーナの演奏も今は廃盤だけど疾走感はアルゲリッチより凄い。若さでひたむきに突き進む勢いが快感だ。

アルゲリッチの方が繊細な疾走感に聞える。

ラベルの夜のガスパールは、フランス的憂鬱な感情が良く出ている曲で、アルゲリッチは細やかに繊細に静かに感情をデリケートすぎるぐらいに演奏している。

ポゴレリチの夜のガスパールはもっと大胆で力強い。アルゲリッチの意外に繊細なのがポゴレリチと比べるとよくわかる。

夜のガスパール ポゴレリチ盤
夜のガスパール ポゴレリチ盤
ラベルの高雅にして感傷的なワルツは、アシュケナージ盤が断然いい。憂鬱な感情と高雅にしてというラベルの題名にふさわしいメロディーがとにかく美しい上品な演奏。
憂鬱っぽいメロディーがアシュケナージほど上品に洗練されて聞える演奏は他になく、隠れた名盤だと思う。

 

クライスレリアーナ アルゲリッチ盤
クライスレリアーナ アレゲリッチ盤
夜のガスパール アルゲリッチ盤
夜のガスパール アルゲリッチ盤

 

ザ・ポリスの「白いレガッタ」は今聞いても傑作アルバムだ

80年代のロックでザ・ポリスの活躍は凄かった。その中でアルバムでは「白いレガッタ」が一番シブいロックだ。

白いレガッタ ザ・ポリス
白いレガッタ ザ・ポリス

スティングの乾いたボーカルにレゲエ調のリズムが心地よく響く。

スティングのベースの低音も本当に心地いい。

アンディ・サマーズのギターも刻むように暗めに控えめに響く。

ザ・ポリスの暗い感じはギターの神秘的な響きが大きい。

スチュワート・コープランドのドラムは結構細かく刻むリズムで、神経質な繊細な感じがする。
メンバー全体が暗めの音楽であるが、そこにリズムがレゲエっぽいのが妙にテンポよく、心地がいいのだ。

もちろんこのアルバムの傑作は、白いレガッタというインストゥルメンタルの曲がカッコイイ。

孤独のメッセージはシングルカットで聴いた80年代の時は効果抜群だったが、今聞くと飽きやすい曲だ。

ウォーキング・オン・ザ・ムーンの方がシングルカットでは孤独のメッセージよりはいい。

他にもいい曲が多い。地味な曲だが今聞いても十分聴きごたえある曲が多い。全体の完成度ではザ・ポリスのアルバムの中では1番だ。

高校1年の時のアルバムだったが、今でも十分このザ・ポリスの良さが大人で聴いても古臭く感じなかった。

その後のアルバムでは高校教師や、マジック、シンクロニシティーパートⅡ、見つめていたいなど、ヒットシングルを出したが、アルバムの統一感と、ロンドンの当時のクラッシュなどがいた時代の前衛感があって、一番シブくて大人向けのアルバムに感じる。

スティングはソロになってからは、イングリッシュマン・イン・ニューヨークなどのヒットシングルを出したが、やはり3人のバンドのザ・ポリスの音楽の方が断然カッコイイと思う。

チャイコフスキー交響曲第1番 冬の日の幻想

チャイコフスキーの交響曲第1番冬の日の幻想は、若いチャイコフスキーのロシアの印象を描いたような曲だ。

ロストロポーヴィチのチャイコフスキー交響曲全集
ロストロポーヴィチのチャイコフスキー交響曲全集
ロストロポーヴィチのチャイコフスキー交響曲第一番
チャイコフスキー交響曲第1番冬の日の幻想

交響曲第1番は単独で発売されにくい作品で、大体全集に入っている。単独で買うのが大変なCDで、特にロストロポーヴィチの指揮は1976年なので古く録音も最新版ではない。

しかし、このロストロポーヴィチの冬の日の幻想は、いかにもロシアの重々しい冬のイメージが感じられて素晴らしい。他の指揮者ではあまりにもクールでただ単に交響曲として指揮しているので、冬の日の幻想というタイトルが感じにくい。

カラヤンや、アバド、マゼール、ティルソン・トーマスなど、あまりにもきちんと演奏していて若いチャイコフスキーの心の揺らぎのようなものが感じられない。

ただ単に交響曲としていい演奏をしているだけで、ロシア愛やチャイコフスキーの若い幻想的な暗さや、心の不安定さ、揺らぎ、冬のイメージが無い。

ロストロポーヴィチの演奏は暗く、不安定なチャイコフスキーの若い感情が丁寧に描かれていて、最も人間的な曲に感じる。

3楽章のスケルツォもロシアの民族的リズムを感じるし、切れ味の良いリズムがいかにもチャイコフスキーの若い感情を表現していると思う。

4楽章のフィナーレは打って変わって明るい元気な楽章になり、チャイコフスキーの若い未熟さも感じられるが、これが1番の本質だと思う。

あまり立派に演奏してしまうとまだ未熟な1番の不安定な曲の良さが出ない。

1楽章の重ぐるしさも、他の指揮者では強弱がダイナミック過ぎて、明快に演奏するので、ロシア臭が無く、爽やかすぎる。

もっとロシアの冬の森林の暗い表情を連想させてほしいのだ。

ロストロポーヴィチはロシアの出身だけにそこが見事に表現されている。

ただの旨い演奏では、この冬の日の幻想は表現できないと思う。