「野球狂の詩」は、水島新司の傑作漫画

「野球狂の詩」は、水島新司の野球漫画の隠れた名作です

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野球狂の詩 水島新司

水島新司のプロ野球の漫画では、「あぶさん」もあります。が、東京メッツという架空の球団の、岩田鉄五郎というピッチャーが主役の「野球狂の詩」もかなりの傑作だと思う。

弱小球団の東京メッツに、いろんな選手をスカウトしてくる個性的選手が主役。プロ野球漫画だった。

東京メッツの選手が個性的で、美男子の国立玉一郎や、酒に酔いながらピッチングする「日の本盛」や火浦健、五利監督等、選手が個性的で面白かった。

特に後半で、女性投手の水原勇気が登場してから面白さが倍増した。武藤平吉という2軍の選手と水原勇気がドリームボールという魔球を生み出す努力の辺りからどんどん引き込まれていった。

女性投手なので体力がなかったり、ピッチャー返しの打球を逃げてしまったり、軽い球質でっ遠くに飛ぶ打球の弱点を克服するために、武藤平吉と水原が訓練してドリームボールを開発していく訓練の過程が良かった。

水原勇気が武藤を尊敬し、だんだん好きになってしまい、ちょうどその頃に武藤にトレードの話があり、広島に移籍してしまう。

水原はドリームボールを完成させる途中で武藤が移籍し、広島の敵になり、ライバルになってしまう。

水原はメッツではやはり、弱点をどんどん攻められ、プロでは通用しないところまで追い込まれる。

そこで、メッツのベテラン投手の岩田鉄五郎が武藤の夢に見ていたドリームボールを開発するのに水原と取り組むことになる。そしてアンダースローの水原の特徴を生かしたフォームと手首の強さを研究していく。そしてボーリングをすることによって手首の強化に励むのだが、メッツの監督の五利は水原と岩田鉄五郎がボーリングをして遊んでいると勘違いし、プロボーラーに転向してしまうのではと、球団オーナーと相談する。

しかし、その陰で水原と岩田はドリームボールを完成させていたのだった。

そして水原がドリームボールを1軍で披露し、活躍していく中で、広島にトレードされた武藤平吉との対決が始まるのだった。

武藤はドリームボールに打ち取られるが、それを何とか攻略しようとアッパースイングの打法になってしまい、2軍に落とされ、自由契約、つまり広島カープをクビになってしまう。

しかし、プロの世界でも誰も打てない魔球に武藤だけが必死で訓練し、ぼろぼろの状態になってやっと広島カープに戻ることができた。武藤は水原と開発しようとして途中で広島へのトレードでできなかったドリームボールを打つためだけに引退をせずに鞭打って水原とのドリームボール対決にかけていた。

 

とてもドラマチックな内容で、プロ野球の世界の厳しさを味わえた漫画だった。

武藤平吉の2軍から1軍に上がるのにドリームボールを打つためだけに努力する執念が凄い迫力で読んでいて感動した。

17巻で終わってしまった野球狂の詩だったが、その後、また続編が出来て平成版野球狂の詩が出来たが、昭和の古臭いにおいのする野球狂の詩の方が私は好きだ。

今でもドカベンに負けない傑作だと感じている。

包丁人味平 料理人が主人公のマンガ

70年代のマンガ「包丁人味平」はマンガのジャンルの革命だった

包丁人味平
包丁人味平

スポーツや悪い奴を倒すヒーローが全盛の時代。

釣りキチ三平、男おいどん、包丁人味平は変わり種のジャンルだった。

特に包丁人味平は料理人の包丁の技をテーマにした、一見すると地味なマンガだった。

しかし包丁試しや、カレー戦争のブラックカレーなど奇抜なアイデアで、料理の常識を一般人にも知らせたマンガだった。

子供をマンガで料理の味や包丁人の技術に興味を持たせたのである。

包丁試しのアイスクリームの天ぷらとか、魚のアレルギーのある料理人の主人公の味平、カレーの辛さの問題など、普段は意識しない料理人の裏事情や、店と店との料理による客の取り合いなど、ビジネスの分野まで描いたマンガだった。
大人も十分楽しめる内容の深いマンガだった。

料理のマンガはのちに「美味しんぼ」という大ヒットマンガを生み出す下地を作った。

しかし、美味しんぼは、あくまで青年マンガに掲載されていたマンガだ。

「包丁人味平」は完全に少年マンガに掲載されていたのだ。少年漫画に料理人の世界を切り開いた革命はすごいと思う。

「釣りキチ三平」も、つりという地味なジャンルを扱い、変わった魚を釣り上げる醍醐味を描いていて、絵が非常にきれいで、魚の細かい描写や川の緑の自然の美しさが、イラストとして単独で見ても美しく描かれていた。

釣りもマニア以外に、子供に訴える力があった。

 

ガラスの仮面 マンガ史の傑作

少女マンガの域を超えたマンガ、ガラスの仮面。

ガラスの仮面
ガラスの仮面

読んでいて、これほどのめり込むマンガは無い。

北島マヤに感情移入するとし、マヤを応援してしまう気持ちで読んでいて熱くなる。

演劇と俳優の奥深さを教えられたマンガです。

北島マヤの超人的なひらめきで、演技のコツを習得していき、どんな役でもこなしていくストイックな女優修行の内容です。
姫川亜弓というサラブレッドでありながら演技を努力と美貌でカバーする凡人と、貧乏で普通の少女ながら瞬時のひらめきで、演技をしてしまう才能を持つ天才北島マヤとの対照的なキャラクターのライバル対決の面白さ。

芸能界の厳しい、いじめの問題など、演劇界のリアルな描写にのめり込んでいく内容だった。

社会の厳しさを教えられる内容でありながら、少女漫画の恋のときめきもあり、自分の才能に目覚めていく希望も持てる珍しい少女漫画だった。

TV化もされ、安達祐実が北島マヤを演じ、姫川あゆみは誰がやる?というプレッシャーが当時、相当あった。

それだけ話題のマンガの注目の実写化だった。

松本莉緒が演じたが、姫川あゆみの演技力は、やはり再現するのは少しムリがあった。

あまりにもマンガが有名になりすぎて、読者のハードルが上がりすぎていたのだ。

安達祐実も決まった時は大丈夫か?と思ったほどだった。

演劇の能力を、とてつもなく感じさせる漫画にピッタリの女優は当時はほとんどいなかったと思う。

大竹しのぶぐらいの演技力を求められていたと言っていい。

唯一、月影千草だけは、野際陽子でイメージにピッタリだった。

速水真澄も田辺誠一でそんなに違和感はなかった。

むしろ野際陽子はピッタリすぎて驚いてしまい見ていて笑ってしまった。

野際陽子なら月影千草のイメージがそのままだった。月影千草の髪型が似合い過ぎていた。

北島マヤの安達祐実は当時、読者は納得していたと思う。

私はもう少しマイナーでもいいからマンガの顔のイメージに近い女優にやってほしかった。

姫川あゆみは外見では文句なかったが、演技力が北島マヤのライバルという設定で、求められる演技力がとてつもなく高かった。

多分誰がやっても違和感があっただろう。

やはり熱狂的信者のいるマンガの実写化はとてつもなくハードルが上がり難しい。

むしろ原作を知らない人の方が、先入観を持たずに見れただろう。

TV版はやはり残念ながら失敗だったと言うしかない。

放送した時期がまさにガラスの仮面のピークの紅天女のクライマックスの時期だったからだ。

読者がマンガにのめり込んでいる時のまさかの実写化だったのだ。

あの時期は、いつコミックスが出るのか愛読者が美内すずえ先生の執筆を今か今かと待っている最高潮の時期だったのだ。

紅天女の役を奪い合う姫川あゆみと北島マヤのバトルは最高潮に達していた時期だった。

読者に永遠に続いてほしいと感じていた時期だった。終わらないマンガの展開を望んでいた時期だったのだ。

少女マンガにこれほどのめり込んだ時期は自分でもなかったと言える。

今でもガラスの仮面は終わってほしくないマンガです。

未完でも許されるマンガです。水島新司のドカベンと同じような人気でした。

北島マヤは永遠に演技の課題に挑戦して、乗り超えていってほしいキャラクターの課題克服する庶民の才能に希望の持てるマンガなのでした。

デビルマン ダイナミックプロ版はマンガの芸術

子供の頃の1970年代のマンガで一番衝撃をうけたのは、ダイナミックプロ版のデビルマンだ。

デビルマン
デビルマン

永井豪のマンガで、当時昭和40年代はアニメやマンガがあふれていた。

あしたのジョーもテレビで見たし、魔法使いサリー、秘密のアッコちゃん、怪物くん。

実写では、ウルトラマン、ウルトラセブン、仮面ライダーなどはシリーズ化していた。

天才バカボンもあったし、ブラックジャックもあった。

まさにマンガ、アニメ大国だった。

その中でデビルマンはテレビ版は見ていたので、マンガ版のゲテモノのようなデビルマンの表現にはショックだった。

デビルマン
デビルマン

正義の味方なのにコワイ外見、残酷な描写、壮大なストーリーと、まさに子供向けのマンガではなかった。

永井豪といえばマジンガーZやハレンチ学園のイメージがあり、こんなにシリアスなマンガを描く人に見えなかった。

永井豪が急に路線を変えたことにびっくりした。

ダビルマンが戦うデーモンも、シレーヌやジンメンといった、あまりにもケモノの本能むき出しの野獣のようなデーマンで恐ろしかった。

シレーヌは女であったが、鷲のような爪を持ち、デビルマンを苦しめる。悪魔のような性格と残酷さだった。デビルマンが血を流すシーンがリアルすぎて引いてしまった。

読んでいて苦しくなってくる残酷な描写だった。

親に見つかったら間違いなく没収されていた漫画の内容と描写だった。

その次のデーモンのジンメンはもっとひどい。

人間を食い、その顔を自分の甲羅に残し、その人間の顔だけが甲羅で生きているという、ヘドが出るようなデーモンだった。外見はカメだが、ここに書いているだけでも気持ち悪くなってくるデーモンであった。

ここまで読んで、もう後戻りできなくなっている自分がいた。

恐いのに止められない魅力があった。

ダイナミックプロのデビルマンに、子供ながらに、はまってしまったのだ。

他のマンガがまるで子供だましに見えた。

あまりにも平和な健全な内容だった。

デビルマンのストーリーはその後、もっと壮大になっていく。

人間同士が不信になり、殺し合うという残酷な展開になっていくのには驚いた。

ストーリーが残酷でしかも地球規模の展開になっていく。

主人公のデビルマンの友達の人間も次々に殺されていく。

地球にいる人間にデーモンが乗り移り、突然人間が凶暴になっていく。

魔女狩りのようにデーモンに乗り移られた人間を拷問にかけて、人間同士が不信感を募らせていく。

その中でデーモンが乗り移っても人間の理性を失わなかった数少ないデーモンがデビルマンのように人間を救う立場になれた。

そして、デーモンとデビルマン軍団の地球規模の戦いになっていく。

それをテレビ中継している局があり、人類とデーモンの戦いが自衛隊をつぎ込んで大戦争になる。

話があまりにも初めのデビルマンとデーモンの1対1の戦いから人類の戦いにまでなっていく展開に驚きながらも引き込まれていった。

凄い内容の漫画で、子供の理解を超えていた。

ストーリーは、最後は地球がデーモンも人間も浄化されて終わるが、とても子供の読むのに耐える限界のマンガだった。

読んだ後に落ち込むマンガだった。

今では名作マンガになって、ガラスの仮面同様、マンガの古典になっている。

デビルマンはあの昭和の40年代の時代に、あの内容のマンガを、少年マンガとして発表したことに意味があったと思う。

大人のマンガではなく、子供マンガで発表した永井豪に革命精神を感じる。

あんな内容を永井豪が考えていたのも驚いたし、それを出版したことにも驚いた。

はだしのゲンなどシリアスな漫画がないわけではなかったけれど、あれほどの残酷で

凶暴な漫画表現は当時は相当前衛的な内容だった。

今では古典漫画の傑作と言われてもおかしくないが、子供の頃の衝撃はあまりにも大きかった。

ドカベン 殿馬の存在

殿馬
殿馬

ドカベンに不可欠なキャラクターの殿馬。

岩鬼が一番古い山田のライバルだったが、中学に入って殿馬、高校で里中と出会う。

比較的古いキャラクターだが、岩鬼の影で常に脇役を演じてきた。

ピンチの時に秘打を出し、明訓高校を救ってきた、唯一ピアノという才能を持つ。

野球との音楽との葛藤の過去が語られた時、土佐丸高校との死闘の最中だった。

なぜあの場面で水島先生は岩鬼や里中、殿馬の過去のエピソードを挟んだのだろう?

いかにもドカベンのエンディングへの布石だと思われた、過去のエピソードの場面だった。

指が短く、ピアノコンクールの課題曲でピアノの弾けない場所があり、手術までしてコンクールに臨む。

明訓の仲間の前で甲子園という自作のピアノ曲を披露する場面もかっこよかった。

野球以外の才能のある殿馬がなんとも魅力的だった。

野球も、すべて音楽の発想で攻略していくような魅力があった。

そしてなんといっても守備力がすばらしくて好きだった。

特に弁慶高校との対戦での守備力はすごかった。

すべて殿馬がいたおかげであそこまで明訓は熱戦が出来た。

里中は武蔵坊を抑えることはできなかったのである。

最後の安宅のセンター前ヒットを辛うじて補球し、石毛にトスする場面は殿馬の最もかっこいいシーンであった。

もちろん土佐丸高校とのサヨナラホームランが一番ドラマチックだったけれども、、、

殿馬
殿馬

中二美夫 ドカベンの唯一腹が立ったキャラクター

ドカベンで一番腹が立ったライバルは中である。

中

里中のような美少年ぽいキャラで、生意気で、バッティングのセンスもある。

里中のはるか上を行く美少年のライバルの出現に、ムカムカして読んでいた。

水島先生は江川卓の弟から発想したようだが、山田と対戦を避けて勝とうとする根性が気に食わなかった。

それでいて生意気なのだ。中が明訓に負けたときはざまあみろと思った。

ストレスが解消された。花巻高校の大平投手のような知的な嫌な感じがするライバルだった。

目が少年ぽくてそれでいて精神が曲がっている感じが嫌だった。

ケガをしてからは、中もすっかりいい人になって憎らしいキャラクターでなくなり、少し寂しく感じた。水島新司が明らかにドカベンの連載を終わらせようとしているのを感じてしまった。

ドカベン 犬飼武蔵と仁又四郎

犬飼武蔵
犬飼武蔵
仁又四郎
仁又四郎

ドカベンの土佐丸高校の犬飼武蔵と下尾高校の仁又四郎との違いが判らなかった。

初めはあまりに2人が似ていてびっくりした。体格が区別がつかなくて困った。水島先生もついにキャラクターが被ることに妥協した、と思った。

よく見れば、犬飼武蔵は、もみあげが特徴で尾崎紀世彦の感じがあった。

目は普通である。しかし、仁又四郎は目が点になる描かれ方で、かわいい目をしている。

あと、仁又四郎は坊主頭だ、という違いが分かってきた。

大柄なキャラクターは2人いると認識するのが難しいし、キャラが被りやすい。

犬飼がピッチャーで仁が外野手というポジションぐらいしか違いがなかった。

あと下尾高校という名前が笑った。ふざけているとしか思わなかった。

上尾高校を引用しているのが見え見えだからだ。埼玉の高校は他にも大熊谷工業とか荒っぽい野球を売りにしていて、蜘蛛の巣投法の河地とかインチキ臭くて笑えた。

なんか水島先生が乗りに乗っているの時期であった。

そういえば日野投手という日光学園というコールド負けするかわいそうなピッチャーもいた。荒れる関東大会であった。

 

泣ける名作マンガ 「ぼくの動物園日記」 西山園長の日記から

しみじみと泣けるマンガに「ぼくの動物園日記」というのがあった。飯森広一のマンガ。

ぼくの動物園日記
ぼくの動物園日記

1960年代かもしれない。上野動物園の西山園長の経験談をマンガ化したものだ。

動物物は絵本でも狼王ロボという名作絵本があった。

シートン動物記の絵本だったと思う。戸川幸雄の高安犬物語という小説もあった。

動物物がたくさん読めた時代だった。

動物の純真なこころに触れてぽろぽろ泣いてしまった。

西山園長が若い時の設定になっているので、ひたむきな飼育員と動物のふれあいが描かれていく。

若い飼育員の西山さんもムキになって動物のガンコさに苦戦していく。動物との苦労するストーリーが面白かった。

西山さんが自宅で飼っていた犬との話も感動した一つだ。

西山さんがお見合いすることになり、新しいスーツを買い、着て帰るのだが、犬はいつものように喜んで西山さんに飛びついて甘える。

西山さんは新しいスーツが汚されて頭に血が上り愛犬をけ飛ばしてしまう。犬はびっくりして、それから西山さんになつかなくなってしまう。
そこで西山さんはその新しいスーツにドロを塗って愛犬のところに行く。すると愛犬も西山さんの気持ちを理解し、またなつくという話だ。

自分も犬を飼っていて、犬の気持ちをこんなに感じたことはなかった。

思わず感動した話だった。

他には、おりから逃げて暴れたクマを狂暴だからとライフル銃で撃ち殺す話などがあり、そのクマの撃たれて死ぬ表情がかわいそうすぎて今でも忘れられない。

こどもの頃は感受性が豊かなので悲しい話はきつかった。

ドカベン山田の最高のライバルといえば不知火だ。

ドカベン山田のライバルはたくさんいるけれど、最高のライバルは不知火だと思う。

不知火
不知火

彼は柔道時代こそ登場する賀間や影丸、わびすけ、ほど古くからの存在ではないが、 中学で野球を始めてすぐに登場する。

高岡中学の時代の長嶋などスーパースターではないが、雲竜とともに高校進学で山田に熱烈に進学を促し、野球部に入れた最大の功労者だ。

山田に野球へ興味を持つように雲竜とともにバッティングピッチャーの役割をして、いかに速い球を打つことに興味を持たせ、山田に速い球をミートする喜びを教える。

しかも山田が速球に慣れて来たら不知火はフォークボールを練習し、指から出血るまで山田のためにフォークの握りを鍛える。 山田が感動して涙を流す場面だ。

もう一つの不知火とのエピソードは、有名なルールブックにあるのか、と驚かせた岩鬼のホームインで1点入る場面だ。

不知火の超スローボールによってはじめてスランプになった山田が、奇跡的に点を取るために頭脳プレーで1塁を飛び出す場面で、 不知火が1塁にボールを送りダブルプレーを取らせ、岩鬼のホームインを見逃すミスを誘う。

ドカベンで一番驚いた1点の取り方だった。

あの奇跡的な試合も、不知火がいなければできなかった名場面であり、ドカベンの語り継がれる名場面だ。

ドカベンも最後のほうは武蔵坊など弁慶高校のすごいライバルが登場するが、不知火の存在は、山田にとって中学時代からのあまりにも大きな存在だったといえるだろう。

不知火
不知火

ガラスの仮面 少女漫画の垣根を超えた傑作

少女漫画の傑作、ガラスの仮面は、女子対象の漫画の垣根を超えた。

ガラスの仮面
ガラスの仮面

演劇モノであり、女優として上昇していく過程を描いた少女マンガで、主人公の少女がライバルと競う、一種の対戦物語だ。

平凡な少女のエリート女優との演技力の戦いで、平凡な少女北島マヤが、エリートの姫川あゆみと競う様子を、読者として北島マヤの頑張りを、つい応援したくなる仕掛けになっているストーリー。

才能と美貌にお嬢様という社会的に上の少女姫川亜弓を、いかに追い抜いていくかがスリリングだ。

演劇というあまり題材にならなかったマンガの設定を開拓したガラスの仮面の意味は大きい。

女優という華やかな存在の影での努力の過程を描き、その華やかな舞台での成功を読者は堪能する。

平凡でも、上昇する可能性を持たせてくれるワクワクする展開で、自分の才能を生かして生きていく希望を読者に与えてくれるのだ。

一番の読者の快感は、エリート女優の姫川あゆみをがその上回る活躍で嫉妬してしまう平凡な少女北島マヤの才能の凄さだ。

地位があっても才能で劣る、という努力ではどうしようもない問題を、読者は優越感を感じ、開放されるのだ。

平凡なヒロインの生きざまが、段々複雑な社会にまみれてたくましくなっていく様子が面白く描かれている。

まだ完結していないマンガだが、これからも楽しみなマンガである。先日NHKで、対談番組に作者の美内すずえ先生が出ていて、思わずブログに書きたくなって書いてしまった。